14日目 まるでパラダイス (2012.09.04)
出発地:オンタナス Hontanas
目的地:ボアディーリャ・デル・カミーノ Bodilla del Camino
距離:28km
宿:€6
南京虫が気になって、夜中に何度も目が覚めてしまった。
夜中に「ボス」っという音と共に、ハーフムーンがベッドを殴っていた、、、
相当ストレスがたまっていて、寝ている間に寝ぼけて発散していたのかな、、、
大丈夫かな、ハーフムーン。
と、心配したけど、朝起きて話したら、
ベッドに南京虫がいて、潰した音だった。
よかった、殴っていたわけじゃないのね。
でも、本当にいたんだ、南京虫。
刺されていないといいけど、、、
結局、5時には目が覚めてしまい、6時前に歩き始める。
宿の人も誰も起きていないので、すごく静か。
街灯もなく、月明かりだけで歩く。
怖い
周りには誰もいない。
怖い
そうしたら、
カチーン
カチーン
という杖の音が。
あ!ビーバーの杖の音だ!w
少し会話をして、ビーバーは先に行く。
スタートして早々に遭遇!
よし!ストーキング開始!
一緒に歩きたいけど、道は狭いし暗いし、
ビーバーのペースは早いので、断念。
ま、これくらいから見ている方がちょうどいいかも。
こちらは、サン・アントン修道院跡。
立派なアーチは健在。
目の前に立ちはだかる小高い丘。
先ほど、後ろから来たチョコさんはこの丘から朝日が見たいからと、
足早に歩いて行った。
屋根の装飾
振り返ったら、東の空が赤くなってきた。
あ~、あの丘から朝日見たかった!
10kmほど歩いて、Castrojerisの街に到着。
雲が多くて残念。
ここで小休憩。
まっすぐ伸びる影。キレイだな~
ひまわり畑
小高い丘を登ったら、、、
絶景が!!!!
これがメセタ(乾燥高原)か、、、
こういう景色見ながら、ヨガと瞑想やりたいな~
でも、今回は休憩のみ。
それでも、すごくリラックスできた。
巡礼者のメッセージが残ってる。
世界遺産にラクガキするのは許せないけど、
ここは”ラクガキ”でなく”メッセージ”と思える。
丘の上でゆっくりしていたら、後ろから続々と人がやってきた。
Burgosからスタートする人も多く、初めて見る人がたくさんいた。
ここでちょっと巡礼ルールのお話。
私は、フランス人の道800kmを一気に歩くけど、
ヨーロッパの人は2週間くらいの休暇で来て、
今年は○○から○○まで歩いて、来年続きを歩く。
といったように、小分けに歩く人も多い。
その小分けにする大都市の一つがBurgos(ブルゴス)なのです。
初めて会う人と少し会話しながら歩く。
初対面のときは、たいてい同じ内容。
・出身は?
・どこからどこまで歩くの?
・何日目?
・痛いところない?
・今日はどこまで歩くの?
この手の、巡礼質問をして、、、それから日本の話
・日本のどこ?
・宗教は?
・なんで日本人て”無宗教”が多いの?
・”無宗教”の君が何で歩いてるの?
・大地震のあとの日本てどうなの?
と、日本に興味を持っている人は、たいていこの話。
地震の影響で”日本”という存在が世界中に知られたことを実感する。
そして、報道から”辛抱強い”という好印象を持ってくれている人が多い。
ただ、原発問題になると、ほとんどの人が”チェルノブイリ”の
二の舞になることを懸念する。
私も勉強不足で深く突っ込んだ話はできないけど、
日本の今後が世界から注目されている。
日本人として、しっかり現実を見極めないと、と思う。
今日話していたイギリス人ご夫婦は、日本にも来たことがあって、
日本に対してすごく好印象だった。
ありがたいお言葉です。
やっぱり、足の付け根が痛い、、、。
ブルゴス県とパレンシア県の県境となっている川を渡る。
お!ビーバー発見!
でも、彼はこの辺りで休憩中なので、挨拶だけして通り過ぎる。
20km地点の街Itero de la Vegaに到着!
カフェを見付けて休んでいたら、ハーフムーン登場!
あれ?私より先に出なかったっけ??
どうやら、暗くて道に迷ってしまったそう、、、
お疲れさまでした。
カフェから約8kmはハーフムーンと一緒に歩く。
覚悟していたけど、日陰もなくて辛いわー
帽子をなくしたので、インドでやっていたように、
スカーフを顔に巻いてサングラスして、日焼け対策。
「マイさん、誰ですか?」
と、ハーフムーンに言われた。
辛かったけど、無事Bodilla del Camino(ボアディーリャ・デル・カミーノ)
に到着!
いつも通り公営の宿に行く。
そこには、誰もチェックインしておらず、中を見せてもらったら、
古くて暗くて狭い宿。
昨日から南京虫の存在にビクビクしている私たちは、
逃げるようにして私営の宿へ。
そこは大きな中庭と緑の芝生、プールもあって、
まるでパラダイス!!!!
ビーバーもここに泊まってた!
ふふふ
ちょっとボケボケだけど、今日も2段ベッドじゃない!
※それにしてもベッドの上汚いな
ベッドの上で荷物を整理していたら、
大事なクレデンシャル(巡礼証明書)がない!!!!
どうしよう!
せっかくの思い出が!!!!
と、一人焦っていたら、、、
お尻の下にありましたw
一人、あたふたしていたら、ハーフムーンがニヤニヤして、
「マイチュー、どうしたんですかぁ~?」
マヌケなことをした時の私のあだ名は、ビーバーの本名から一文字とって、
“マイツー”から、派生して、
“マイチュー”
※韓国版ハイチュー
となったのでした。
ちなみに、ハーフムーンさんも、なかなかのおマヌケさん。
巡礼路でなくしたものは数知れず。
ビーバーのこと、マヌケ扱いしているけど、
実際は、私たちの方がマヌケだな。
さて、シャワーが混んでいたので、空くまで一人でヨガ。
じっくりしっかり伸ばす。
久しぶりにしっかりやった。
空いてきたので、シャワー浴びて、洗濯して、
ヨガやろうとしたら、ハーフムーンは爆睡。
他の友だちも、疲れて寝ていたので、
ヨガやろう!と張り切っているビーバーと二人きりで。
ドキドキ
ドキドキ
あれ?
ドキドキ、、、
しない、、、
いつもみんなといると緊張するけど、
二人だけだと、すごく落ち着く。
この前二人だけで歩いた時も感じたこの空気感。
ヨガでお互いの呼吸が合っているからなのか、
似た空気を発しているからなのか、
この土地がいい気を発しているのか、
とにかく、すごく穏やかな時間だった。
幸せだな~
と、ビーバーとの穏やかな時間を過ごしていたら、、、
ビーバーの硬さに見かねたリタ(べルギー人のおばさま)がサポートに入り、、、
「リタ!よかったら太極拳のレッスンやってよ」私
とお願いしたので、急遽、太極拳のレッスンに早変わり。
初めてなので、リタの呼吸に合わせて見よう見まねでやってみる。
ビーバーやっぱり、不器用w
かわいいな~
最初は、一生懸命ついてきていたビーバーも、
諦めたようで、さーっといなくなってしまった。
20分くらいのレッスンを終えた頃には、太ももがパンパン。
あれは、足腰の強化にはすごくいいな。
足の付け根の痛みも少しひいてきた。
リタ、レッスンありがとうございました!
昼寝から目覚めたハーフムーンと街プラ。
といっても、何もない小さな街だった。
本日のアイスクリームはマグナム€1.80
本当にステキなお庭。
涼しいのでプールに入る気にはならないけど、足だけ浸けてクールダウン。
それから、芝生で寝転んで日記。
横でハーフムーンがスペイン語の勉強していた。
暖かな日差し
心地よい風
平和な穏やかな雰囲気を発する大好きな仲間たち
そして、同じ空間にいるビーバー
ものすごく幸せ
この時間が一生続けばいいのに
と思った。
夕飯は宿の巡礼者メニュー €9
ひよこ豆のスープ
にんにくスープ 「Sopa de ajo(ソパ・デ・アホ)」 これがうまい!
メイン 私は魚のフライ
デザート アイスクリーム
パン
地元の赤ワイン
今日は、目の前にビーバーはいないので、
完食しました!w
隣りにいたドイツ人男性(名前うろ覚え)が、
すごくおしゃべりで、しかも日本と私の旅にすごく興味を持ってくれて、
食事中ずーっと話してた。
楽しい夕食の一時でした。
ワインもおいしかった~
ちょっとほろ酔いで夕日を見に行く。
今日は期待できそうな夕日。
外に出ようとしたら、
「マイーーーーー、見てご覧!!鳥の巣だよ~」
と、ビーバーが目をキラキラさせて話しかけてきた。
「あ~、本当だ~」
と、反応したけど、なぜそんなに目をキラキラさせているのか、分からない。
あとで知ったことだけど、多分あれはコウノトリの巣。
スペインではあちこちに見かけたけど、
ドイツにはないので、すごく珍しいらしい。
それを見付けたので、あんなに目をキラキラさせていたんだと思う。
憶測だけど、、、
一緒に夕日見に行きたいな~と思ったけど、
鳥の巣に好反応を示したおばあちゃんに対して、親切に話し始めた。
ビーバーのこういう所が好き
誰に対しても、すごく親切で真剣に対応する
時に真剣過ぎて、相手がちょっとうんざりしている時もあるけどw
でも、人の良さがにじみ出ていてビーバーを嫌いな人はいないと思う
話が長くなりそうだったので、私は一人夕日を見に行く。
広く高い空に沈んで行く太陽。
雲が絵になる。
街側を振り返る。
北方向
この街、すごく好き。
先日までのトゲトゲしていた自分がウソのように、
穏やかな自分がいた。
帰って、寝る準備していたら、隣りのベッドに夕食時に会ったドイツ人男性。
彼は、話しているこちらがうれしくなるような、
いい反応と絶妙な相打ちをしてくれる。
やっぱり男性はこうよね~
これくらい気が利かなきゃ~
と、久しぶりの感覚を思い出す。
そういえば、ビーバーとはここまで私自身の話で盛り上がったことはない。
彼は、女の子を楽しませようという気は回らない。
不器用で気が利かない。
モテないだろうな~
なんて思ったけど、、、
あ!ただ単に私に興味ないだけか!
という結論に至ったのでした。
おやすみなさい、、、