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22日目 別れの時 (2012.09.12)

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出発地:アストルガ Astorga

目的地:ラバナル・デル・カミーノ Rabanal del Camino

距離:20km

宿:€10 寄付制


昨日はベッドに入っても涙が止まらず、

鼻水も出てうるさいので、何度か外に出て深呼吸して落ち着かせた。

 

なんで、こんなに涙が出るんだろう。

 

 

 

 

きっと、人間は本当に辛い時って涙が出ないんだと思う。

 

 

 

 

ビーバーからのメッセージでどん底からすこし這い上がった。

だから、涙が出てきたんだと思う。

 

 

 

朝6時ごろ起きる。

目覚めたら、すごく冷静になっている自分がいた。

 

やっぱり、夜は恐ろしい。

生理前の夜は、特に。

 

 

7時に出発。

運命の分かれ道。

 

どんな結果になろうとも、それを信じて進もうと決めた。

 

 

起きた時から、緊張と恐怖で胸がドキドキし、苦しかった。

 

でも、空がきれいだったので、いつも通り写真は撮っていた。

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明るくなる東の空と月。

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そう言えば、こんな感じの空の時、

ビーバーと一緒に流れ星を見たっけ。

 

あっという間で、願い事なんてできなかったけど、

もし願い事をするとしたら、、、

 

 

 

 

 

「一緒にサンティアゴ・デ・コンポステーラに行けますように」

 

 

 

 

 

その願いは、叶わない、、、かもしれないし、、、

叶うかもしれない。

 

 

 

 

 

う~、苦しい、、、

 

 

 

 

 

とりあえず、今日は「ちゃんと会ってお礼ができますように」と太陽に祈る。

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1時間ほどで、Murias de Rechivaldoに到着。

 

ビーバーはいつも2時間くらい歩いてから休憩しているので、

ここにはいないと思って、通り過ぎようとしたら、、、

 

 

 

 

 

 

 

ベンチに座ってリンゴを食べているビーバーを発見!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

早!!!!

 

幸い一人で休んでいるので、話しかけやすい雰囲気。

 

でも、この距離からではビーバーのまとっている雰囲気までは分からない。

 

 

 

「いつも通りのおマヌケビーバーでいてください!」

 

 

 

と祈ってズンズンとビーバーの元へと歩いて行く。

 

 

 

ドキドキ

 

 

 

ドキドキ

 

 

 

ビーバーがチラッとこちらを見た!!!!!

 

 

 

(気付いているはずなのに)目をそらされた、、、、、、

 

 

 

ガーン(涙)

 

 

 

「あー、また避けられるのか、、、」

 

 

 

く、苦しい、、、

 

 

 

「それでもいい!お礼を言って、手紙を渡して、笑顔でお別れするんだ!」

 

 

 

と思いズンズン進んで言った。

 

 

 

そして、ビーバーのそばに立って、

どんより空気のビーバーに勇気を出して話しかける。

 

 

 

「おはよう。昨日はミサのメッセージありがとう。

でも、私たち違う教会のミサに行ったんだ」私

 

 

 

言えた!

練習通り、ちゃんと言えた!

 

 

 

「座る?」ビーバー

 

 

 

「(力一杯)うん!!!!!!」私

 

 

 

どんより空気のビーバーの横に座ることに成功!

 

心なしか、ビーバーの顔が穏やかになった気がする!

 

 

 

「実はね、私も昨日ビーバーに手紙を書いたんだ。

今日が最後の日だと思ったから。

でも、まだ迷っていて、まだ渡せない。」私

 

 

 

と、ものすごく緊張していたので、

たどたどしい英語で伝えるw

 

 

 

そうしたら、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急にいつものおマヌケキラキラ笑顔になって、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かった!まだ、決めなくてもいいよ。

今日は素晴らしい日(いい天気)だから、歩こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って、珍しく気の利いた台詞を言ってきた!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだろう、まだ魔物が憑いているのかしら、、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、気が利き過ぎる台詞に戸惑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、すごくうれしい!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、一緒に歩き始める。

今日は隣りにビーバーがいる。

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やっぱり、落ち着くな。

 

 

 

特に何を話すわけではないけど、いつも通りのビーバーだということは、

発する空気で分かる。

 

 

 

たまに話しかけてくれる言葉がすごく優しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時々すごく優しい眼差しを向けてくれているような感じがする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実際はどうか分からないけど、視界に入るビーバーが、

私の方を見ているのが分かる。

確かめたくても恥ずかしくて視線を向けられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり、離れたくない、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒に行こう!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けど、恥ずかしくて言葉にできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、1時間ほど歩いてSanta catalina de Somozaに到着したので、休憩。

 

ベンチに座りながら「一緒に行く」と伝えようと思ったら、、、

ニヤニヤしたハーフムーンと何も知らないチョコさん登場w

 

ハーフムーンに「まだ本人には伝えてないけど、たぶん行きます」と伝えた。

ハーフムーンは笑顔でうなずいた。

 

 

チョコさんはカフェ休憩へ。

 

久しぶりに3人で一緒に歩く。

初めてビーバーの名前を聞いた日もこうして3人で歩いたね。

もしかして、今日が最後になっちゃうのかな。

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今日のハーフムーンはかなりイライラしている。

歩きながら、日本語と韓国語で文句を言いながら歩いてる。

※ハーフムーン自身の悩みで

 

冗談ぽく振る舞っているけど、その言葉が本心なのは分かる。

 

 

 

私が一番辛い時に一緒にいてくれたのに、

ハーフムーンが辛い時に離れるなんて、、、ゴメンね。

 

 

 

でも、”ハーフムーンが大変だから”という理由で、

“ビーバーと離れる”という選択をすることを彼女は望んでいない。

 

 

 

彼女はそんなに弱くない。

 

 

 

そう思って、自分の意思をきちんと伝えようと思ったら、

ビーバーの姿がない。

 

そう言えば、さっき写真撮っていたから、後ろにいるのかな?

と思って、振り返ったら、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木の陰で、朝日に照らされ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神々しく光り輝く弧を描きながら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立ちションしてたwww

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木があるので、後ろから来る人は見えないけど、

前を歩く人が振り返れば丸見え状態。

※距離があるので、ブツは見えません(残念)

 

 

 

あんなにきれいで輝かしい立ちションは初めて見た。

 

 

 

なんだか、あれを見て、決心がついた!

 

 

 

スッキリした顔で追い付いてきたビーバーに、

 

 

 

「ビーバーと一緒に行くことに決めた!」私

 

 

 

「わかった!!」

 

 

 

と、これだけの会話で私の運命の分かれ道が決まった。

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ビーバーに伝えたとハーフムーンに報告。

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チョコさんにもビーバーと一緒に行くと伝えた。

 

 

 

また、1時間ほどでEL Gansoという街に到着。

4人でカフェ休憩。

 

それから、約2時間は久しぶりの上り坂。

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緑の多さでメセタを抜けたことがわかる。

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たまーに、後ろを気にかけてくれるビーバー!

 

ふふふ

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そして、いよいよお別れの時が近づいてきた。

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そして、12時半くらいにRabanal del Caminoに到着。

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そして、別れの時。

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ハーフムーン!今まで本当にありがとう。

出会ってまだ日が浅いのに、毎日たくさんのことを話した。

若いのに、すごくしっかりしている部分と、

おマヌケな部分とが相まって、かなりいいキャラだった!

 

一旦、離ればなれになるけど、また再会できると信じてる!

 

 

チョコさん!いつも甘いものありがとう!w

年下なのに、お兄ちゃんキャラでいつも頼ってた。

チョコさんにあの道を聞いていなかったら、

ビーバーとも再会できなかったかもしれない。

 

また、会えるよね?!

 

 

 

二人には、「ゆっくり歩いてね!」と伝え、

二人からは、「早く追い付いてね!」と言われた。

 

 

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラで会おう!!

 

 

 

最後にハグして、チョコさんがイギリス流のグループハグで円陣組んで、

 

 

 

Buen Camino!!!!!!!

 

 

 

と、笑顔でお別れをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーバーと二人きりになった、、、

 

 

 

「てか、ビーバーはどこへ行くんだ?」

 

 

 

ここにあるキリスト教系の施設に行くことはわかっていたけど、

それが何なのかサッパリわからない、、、

 

 

本日から数日滞在予定の修道院に到着。

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修道院に併設されたゲストハウスに滞在。

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事前に予約をしていたビーバーは問題なく滞在を許可された。

※この時は何も分かっていなかったけど、

ここはビーバーの所属している修道院と同じ系列の修道院で、

巡礼を始める前からここに立ち寄ろうと決めていたらしい(2017年1月)

 

 

何も連絡していない私は、修道院のえらい人に、

 

 

 

「どうしてここに滞在したいの?」

 

 

 

と聞かれ、

 

 

 

「好きな人と一緒にいたいからです」

 

 

 

なんて答えたら、「今すぐ出て行け!」と言われそうだったので、、、

 

 

 

「私はクリスチャンではないけど、宗教にすごく興味があり巡礼をしている。

それと、ヨガを初めて瞑想のトレーニングもしている。

ここはすごく神聖な場所だと聞いた。

ここ数日精神的な休息が必要だと思い、ここでしばらく瞑想したいと思っている」

 

 

 

と、全くウソではないけど、それっぽい理由を述べたら、、、

 

 

 

泊まらせてくれるようになった!

 

 

 

一安心。

 

 

 

ゲストハウスの滞在ルールと一日のスケジュールを説明された。

 

7:30 早朝礼拝

8:00 朝食

9:00 朝礼拝

13:50 昼食

19:00 夕方礼拝

20:30 夕食

21:30 夜礼拝

 

こんな感じ。

礼拝の参加は自由だけど、食事は必ず一緒に食べるらしい。

 

 

部屋に入ると、いきなりベッドが!

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あ、個室じゃないですよw

 

横にちゃんと二段ベッドがあります。

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奥:2段ベッド 2つ

中央:ベッド 2つ

手前:2段ベッド 2つ

 

という部屋割り。

 

奥にはドイツ人の女の子が、

手前はオーストラリア人の男の子が使用していた。

 

 

 

「マイ、好きなベッド選んで」

 

 

 

とビーバーに言われ、、、

 

 

 

「じゃあ、久しぶりに2段ベッドじゃない所で寝たいから」

 

 

 

と、変な言い訳をして、中央を選んだ。

 

 

 

そうしたら、自然と、、、ビーバーも私の横のベッドを選び、、、

 

 

 

そうです、私はビーバーと、こんな近くで眠るのです!!!!!

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鼻血出ちゃいそうw

 

 

 

なんてね、、、みなさん、ここは修道院ですよ!

 

 

 

神聖な場所なんですよ!

 

 

 

すぐにシャワーを浴びて、洗濯。

洗濯も宿の人がやってくれるとのこと。

でも、普通の合成洗剤で洗うのがいやだったので、

自分の石けんで洗っていいか聞きに行ったら、、、

 

 

 

「ちょっと腕見せて、、、これって、まさか、、、」スタッフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南京虫疑惑!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、余計なことしちゃったな」私の心の声

 

 

 

「ここに泊まりたければ、全部洗って」

 

 

 

と、女性スタッフにも修道院のえらい人にも言われて、

また全部洗うことに、、、。

 

 

 

「Leonで全部洗ったから大丈夫!」

 

 

 

と、強く言えなかったのは、実は昨日の夜も新しい箇所が刺されていたから、、、。

 

外で、全部荷物を天日干しして、

タオルと服を貸してもらい、

もう一度シャワー。

 

 

 

ハァー

※今回はちゃんと下着も貸してもらった

 

 

 

 

すぐに昼食の時間。

 

 

 

 

 

 

 

一人落ち込む私。

 

ランチは私語厳禁で静粛の中、進んでいく。

 

 

 

食後外に出たら、スタッフみんながすごく優しく接してくれて、

少し気分が回復した。

 

厳しくするのは南京虫に対してで、私ではなかった。

 

 

 

昼食後は、みんなで昼寝。

 

 

 

心臓がドキドキしていて、昼寝どころではない私は、

本を読んで落ち着かせる。

 

その横では、ビーバーがシエスタ中。

 

 

 

落ち着かないので、図書室へ行き、日記。

 

それでも落ち着かないので、外の教会へ。

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しばらく、教会内で深呼吸して、一日を振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ~、やっと食い違っていた歯車が元に戻ってきた。

 

 

 

神さま、ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19時の礼拝。

 

終わってから夕飯。

夕飯は、普通に和気あいあいとおしゃべりしながら食べる。

 

 

 

みんなは、和気あいあいとしているけど、

英語についていくのが精一杯でドギマギしている私。

 

 

 

食後に、3Fにある祈りの部屋で瞑想。

 

 

 

慣れない環境とビーバーにドギマギしていて、

ずーーーーーーーーっと、心臓がバクバクしていて、

 

 

 

 

苦しい、、、

 

 

 

 

でも、辛い苦しさではないので、まだ救われる。

 

 

 

そして、夜の礼拝。

ここに滞在している巡礼者が集まる。

 

終わって宿に戻ろうとしたら、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーバーのお気に入りの女子登場!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッキーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー、思い出されるあの日の事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかく、礼拝で落ち着いてきた心臓が、また高鳴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも、イヤな高鳴り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頑張って彼女に笑顔で話しかけ、

ハーフムーンとチョコさんは別の所にいて、今はビーバーと一緒にいると、

伝えた。

 

 

 

彼女は、別に顔色一つ変えないw

 

 

 

そうしたら、ビーバーが後ろからやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキドキ

 

 

 

ドキドキ

 

 

 

ドキドキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ」と、いつも通りのビーバーは世間話し始めた。

あの、重たい空気の二人はどこへ?

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり、魔物が取り憑いていたんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女とお別れのハグ。

私に続いて、ビーバーもハグ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?

 

ハーフムーンにもそんなにギューーーーーーーーーってしてなかったよね。

 

あ、私にはまだ”やきもちやき”の魔物が憑いていた。

 

 

 

別れ際「連絡先教えてよ」とケータイをポケットから取り出すビーバー。

 

そこへ強風が吹き荒れる。

 

「じゃあね~ Buen Camino!!!!」

 

と、言い残し、走って雨と風の中に消えて行く彼女。

 

 

 

「や~い!ケータイ番号聞きそびれてやんの!ププ」私の悪魔のささやき

 

今回は魔物も私の味方をしてくれたようです。

 

プププ

※めちゃくちゃやなやつでごめんなさい。

 

 

 

宿に帰って、寝る準備をして、

横にいるマヌケな顔したビーバーに

 

 

 

「おやすみ」

 

 

 

と、ドイツ語と日本語で言って、寝たのでした。

 

 

あ~幸せ

神さま、ありがとうございます。