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25日目 石に願いを (2012.09.15)

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出発地:ラバナル・デル・カミーノ Rabanal del Camino

目的地:モリナセカ Molinaseca

距離:26km

宿:€5


いつも通り6時半頃目覚める。

 

ここ最近、ずっといい眠り。

理由は明確ですが。

 

 

 

ふふふ

 

 

 

でも、夜中にトイレに行ったビーバーさん、

ドアの開閉がうるさいし、ベッドに足をぶつけたらしく、

ガタガタとベッドに倒れ込んでいた。

 

 

 

さすが”マヌケスト”

※マヌケの最上級

 

 

 

きっと、好きになった理由も嫌いになる理由も”マヌケだから”

なんだろうな~と思った。

 

 

 

さて、今日は巡礼再会日!

早朝礼拝の前にパッキングを済ませ、最後の礼拝。

 

結局最後まで、ここが何なのかあまり理解していなかったけど、

“神聖な場所”だと言うことだけは理解できた。

※巡礼後ネットでいろいろ調べて、わかったことは、

ビーバーの通っている大学と同じキリスト教の宗派の修道院

だとということ。

たぶん、、、

 

 

そして、何度か瞑想した3Fの祈りの部屋の空間がすごく良かった。

いつか、自分でもああいう空間を持ちたいなと思った。

 

 

礼拝後、昨日出会ったスーも今日から修道院に滞在することにしたらしく、

一緒に朝食を食べる。

 

 

そして、いよいよ出発の時。

 

3日間分の支払いを済ませる。

ここは寄付制なので、価格が決まっていない。

宿代€5+食事代€5で一日€10として、

€30をお支払いした。

ちょっと少ないと思ったけど、持ち合わせの現金がなかったので、、、。

 

 

 

お世話になった女性スタッフとスーに見送られて出発。

 

 

 

3日間ありがとうございました!!!!

 

 

 

8:30ごろ修道院を出発。

3日ぶりなので、荷物が重く感じる。

しかも、最近食べ過ぎていたので、身体も重い。

 

でも、心は軽い~~~~

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だいぶ前から思っていたこと。

 

 

 

右手に杖を持って歩くビーバー。

 

右手に持っていた杖をなくした私。

 

左の肩にバッグをかけている私。

 

 

 

ビーバーの左手と、私の右手が余っている。

 

 

 

これは、つなぐためにあるんですかね?神さま。

 

 

 

なんて、回りくどいこと言っていますが、

 

 

 

 

 

 

 

 

単純にビーバーと手をつなぎたいだけ!

 

 

 

 

 

 

 

 

で、歩いていた時に、勇気を出してつないでみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしたら、最上級のビーバースマイルを向けてくれた!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神さまありがとうございます!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「マイ、すごく幸せそうだね」ビーバー

 

 

 

「うん!幸せだよ。

ビーバーは幸せじゃないの?」私

 

 

 

「幸せだけど、ちょっと怖いよ。

だって、日本とドイツじゃ遠すぎるよ。」ビーバー

 

 

 

「でも、、、大丈夫!なんの根拠もないけど大丈夫!」私

 

 

 

 

 

 

 

 

「だって、神さまが結びつけてくれたんだから!」私の心の声

 

 

 

 

 

 

 

 

と思いながら、ビーバーの手を強く握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、完全に浮かれてました、私。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に”性なる道”になってしもうた。

 

 

あ、でもストーキングじゃなくなっただけ、

進歩したけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、巡礼路に話しを戻し、こちらは古い給水場

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今日はアップダウンの激しい日。

 

出発地点のRabanal(1150m)からイラゴ峠(1500m)を越え、

目的地のMolinaseca(600m)まで一気に下る。

IMG_0293.jpg

 

えーと、そんな所に足かけてもいいんですか?

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2時間ほど歩いて、峠の頂上辺りに到着。

すごくいい眺め!そして、緑が濃くて起伏のある地形が、メセタと大違い。

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上り坂は決して楽ではないけど、元気の源と一緒なので、疲れ知らず!

 

 

そして、本日の最大の山場、Cruz de Ferro(鉄の十字架)が見えてきた。

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Cruz de Ferro(鉄の十字架)とは

——————————–

道中で最も古くから、地元では聖なる地として、

また巡礼者には巡礼路の象徴的な場所として知られている。

標高1505m。巡礼者は出身地から願いを込めた石を持参し、

この場所に置いて行く。

~略~

巡礼者はもとより、道ゆく人々もここに石を残していく。

こぶし大のものから、ほんの小石まで、大きさもさまざま。

中には貴石やロザリオ、リボンなど思い出のこもったものを置いていく人もいる。

鉄の十字架は5mほどの木の柱の上に設置されている。

この柱が立つ小さな丘の上は人々が残した石で盛り上がっていった。

どれだけ多くの人がこの丘に願いを捧げたのだろうか。

——————————–

ガイドブック参照

 

 

実際、巡礼中はここまで詳しく知らなかったけど、

修道院のお偉いさんに、

 

 

「石は持ってる?」

 

 

と聞かれて、確かそんなような場所があったな~と思い出してた。

 

 

「必ず、石を持って行って祈りなさい」

 

 

と教えていただいたのに、気に入る石が見付からず。

鉄の十字架が付近で探そうとしたら、みんなが拾っていくためか、

ぜんぜん石が落ちていない、、、。

 

 

でも、どうにか小さな石を見付けた。

 

 

私の頭の中で勝手に想像していたのは、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

この十字架にビーバーと一緒に近づいていき、

お互いそれぞれ祈りを込めて、一緒に石を置く。

 

 

 

 

 

 

 

キャー、なんてロマンチックなの~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていたのに、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

実際は、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーバーは少し前に出会ったドイツ人のおじさんと話し込んで、

さっさと前を歩き、、、

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この丘に近付いた時に、

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ポ~~~~~~ン

 

 

 

 

 

 

 

 

と、何の思い入れもなく、捨てるように石を投げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、そう。

ここってその程度なんだ、、、ビーバーにとっては。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、祈りながら石を積んだ。

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「ビーバーと一緒にサンティアゴ・デ・コンポステーラに行けますように」

 

 

 

 

 

 

 

と。

 

 

 

 

 

 

 

 

巡礼者のそれぞれの思いが詰まったものに覆われた木。

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この下で、係員の人が木を覆い尽くす思い出の品を、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

せっせと取って処分していた、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

これが現実ですよねw

なんだか、切なくなってしまった、、、。

 

 

 

それでも自然は美しい。

必死に歩いて、気分を紛らわす。

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Manjarinの街を通過。

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巡礼者用に設けられた寄付制のお店。

残念ながら何も入ってなかったけど、この辺りで休憩。

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これからここを下っていく。

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下りは膝に来るので、ビーバーさんちょっと大変そう。

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2時間ほど歩いて、El Aceboに到着。ここでカフェ休憩。

現金のない貧乏な私はビーバーにコーヒーをごちそうになる。

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それから、2時間ずーっと下り。

ビーバーの膝は悲鳴をあげていた。

 

 

 

やっとのことで、Morinasecaに到着!

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出発が遅かったし、休み休み歩いていたので、到着したのは16時頃。

 

公営の宿にチェックイン。

あんまりきれいじゃない、、、南京虫大丈夫かな、、、不安。

 

チェックインの時、昨日見かけた日本人の女の子が、

横を通ったので、話しかけたら、この時間から8km先まで歩くって。

すごいな。

 

女の子らしくて、すごくかわいい声の子。

 

横でニコニコビーバーが、

 

 

 

「マイ、日本人に会えてうれしそうだね!」

 

 

 

ってw

 

 

 

かわいいな~

 

 

 

シャワー浴びて、洗濯して街に買い出し。

コーヒーのお礼にアイスを買って、二人でアイスクリームショット。

 

この街は、どこかリゾート地のような雰囲気がある。

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こちらは巡礼者の橋。

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川沿いの芝生でダラダラヨガ。

 

それから、一度宿に戻って買い出しした荷物を置く。

初めて知ったけど、ミサへは買い物袋などを持っていっては行けないんだって。

確かに、神さまに失礼か、、、。

今までのご無礼をお許しください!

 

 

あっさりとしたミサで、あっという間に終わってしまった。

 

 

ミサの帰りにレストランで食事。

ここしばらく、食べ過ぎていたので、サラダだけにした。

店主がすごく良くしてくれて、

フルーツやタパスなどサービスしてくれた。

 

ごちそうさまでした!

 

 

 

ビールを買って帰り、宿の庭で夕日を見ながら飲む。

 

横には、夕飯のサラダだけじゃ足りなかったようで、

パンをバクバク食べているビーバーが。

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せ

 

 

 

 

 

 

 

 

寝る前に、

 

 

 

「明日はどこに行くの?」

 

 

 

と、ビーバーのガイドブックで目的地を確認。

 

 

 

同じ言葉だけど、

 

 

 

「ビーバーは、明日どこに行くの?」

 

 

 

だった言葉が、

 

 

今は、

 

 

「私たちは、明日どこへ行くの?」

 

 

 

という意味合いを持つようになった。

 

 

 

一緒に歩くのが一番自然で落ち着くのに、

なんでもっと早くから「歩こう」って言わなかったんだろう。

 

 

 

なんてことは今だから言えるんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやすみ」

 

 

 

 

 

 

 

 

と、日本語で挨拶して、眠りに就く。

 

 

今日もありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この幸せがずっと続けばいいのに、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、ずっとは続かないのが、、、人生、、、