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27日目 神のみぞ知る (2012.09.17)

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出発地:ビジャフランカ・デル・ビエルソ Villafranca del Bierzo

目的地:オセブレイロ O Cebreiro

距離:30km

宿:€5


昨日は問題を抱えたまま、9時には寝ていた。

 

結論は朝起きた時の気分で決めようと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

そうしたら、夢なのか、現実なのかよくわからないけど、

 

 

 

 

 

 

 

神さまの姿を見た。

 

 

 

 

 

 

 

その神々しい姿を見て、

 

 

 

 

 

 

 

「これは行けってことだな」

 

 

 

 

 

 

 

と、判断する。

 

 

 

 

 

 

 

なんて、すごく神秘的な書き方しているけど、

実際は、夜中に南京虫がいたらしく、すごく痒くて目が覚めて、

入り口付近に誰かが立っていて、

外のライトが逆行となって、後光がさしているように見えただけ、、、

だと思う。

 

 

寝ぼけていたのか、定かではないけど、

確かにあの姿を見て「一緒にあるこう」と決めたのでした。

 

 

 

そう決めたのにも関わらず、目覚めたら、

 

 

 

6時半!!!!!!!!

 

 

 

こんな大事な日に、寝坊をする私。

 

この宿は男女別の部屋なので、もしかしたら、

ビーバーはもう出発してしまったかも!?

 

 

 

5分くらいで用意をして、すぐに外に出たら、、、

 

 

 

 

 

 

 

キラキラ笑顔でこちらを見ているビーバーがいた。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、これは行けってことだな」

 

 

 

 

 

 

 

と、再確認し、ビーバーに、

 

 

 

 

 

 

 

「寝坊しちゃって、まだ用意できていないけど、

一緒に行くから待ってて」

 

 

 

 

 

 

 

と伝えたら、

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕もまだ用意できていないから、急がなくても平気だよ」

 

 

 

 

 

 

 

と、言ってくれた。

 

 

とりあえず、私の意見は何も伝えていないけど、

7時半に、一緒に歩き始めた。

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ライトアップされた街並み。

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歩き始めて、少ししてから、

 

 

「昨日の夜考えたんだけど、、、

数年前にすごく悲しい出来事があったんだけど、

私はそれを乗り越えた。

 

乗り越えたからこそ、今の自分がいる。

だから、今はその状況に感謝している。

 

今回も同じ。

 

今日別れても、巡礼後に別れても悲しみは同じ。

だったら、一緒にいられる間は一緒にいたい。」

 

 

 

と、素直に伝えた。

 

 

 

「でも、一緒にいる時間が長くなればなるほど、

別れる時の悲しみは増えるよ」ビーバー

 

 

 

「悲しいかもしれないし、悲しくないかもしれない、

未来のことは誰もわからない」私

 

 

 

「でも、僕達には2週間しか時間がないんだよ」ビーバー

 

 

 

「2週間もあるんだよ、たくさん思い出作ろうよ。」私

 

 

 

「マイは強いね」ビーバー

 

 

 

「うん。いろいろあって、私はすごく強くなった。だから悲しまない。」私

 

 

 

「本当に悲しまない?」ビーバー

 

 

 

「うん、悲しまない」私

 

 

 

この時、私たちの合い言葉”never sad(悲しまない)”が出来上がった。

 

 

ここでは、言葉にしなかったけど、

 

 

 

 

 

 

 

会えない状況下で、会わないのは我慢できるけど、

 

 

会える状況下で、会わないのは辛すぎる。

 

 

きっと、今日お別れしても、巡礼路でビーバーを探してしまう。

 

 

そんなのは辛くて無理だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

私たちに残された期間は2週間。

 

 

 

 

 

 

 

巡礼後のことは今悩んだってしょうがない。

 

巡礼後の悲しみを想像したってしょうがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Nobody knows 誰も知らない

 

God knows 神のみぞ知る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ですよ!!!!

 

 

 

さて、肝心の巡礼路に戻りましょうか。

 

今日は、このように国道沿いの道をひたすら歩く。

視界が開けていないので、朝日は見えず、自然に明るくなって来た。

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2時間ほど歩いて、Perejeに到着。

ちょっと早いので、ここは通過。

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途中に、ベンチがあったので、ここで休憩。

 

 

1時間半ほど歩いて、Trabadeloに到着。

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それにしても、、、今日の道は人工的であまり面白みがない。

と思っていたけど、こういうのは好き。

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“Respect” “Peace”

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ものすごく高い橋が見えて来た。

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高速道路らしいけど、、、ここにこんなの本当に必要なのか?

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この辺りは、小さな街が点在している。

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小さなカフェを見付けて休憩。

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カフェ休憩していたら、昨日宿で再会したドイツ人のトーマスがやってきて、

ドイツ語でビーバーに話しかけ、話し終わったら、さーっと歩いて行ってしまった。

 

 

 

この人、ビーバーの横にいる私に、

 

 

 

 

 

 

 

一切視線を向けないのw

 

もちろん、挨拶もしない、、、

 

 

 

 

 

 

なんか、嫌われるようなことしましたっけ?

ま、いいけど、、、

※いいならわざわざここに書くなよ

 

 

Las Herrerias辺りで急に巡礼路らしい道になって来た。

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と、喜んでいられるのは、最初だけ。

なぜなら、ここからは巡礼路最後の難所と言われる峠越えが控えているから。

 

初日のピレネー越えは1200mの高低差を20km歩いて登る。

今日は700mの高低差を13kmで登る。

 

つまり、初日くらい辛い上り坂、、、。

 

 

 

「でも、初日の私と、3週間歩いた私は違う!」

 

 

 

と、胸を張って言えるくらい、坂道をすいすい登って行く私。

 

富士山登頂の時と比べたらビックリするくらいの成長ぶり!

※標高の違いはこの時は頭にない

 

 

 

この登りの時は、ビーバーのペースで一緒に歩いていると、

荷物の重みがずっしり肩にかかって、逆に体力を奪われるので、

自分のペースで、ガシガシ登って行った。

 

 

 

一定の距離を登りきるまで、ペースは変えたくないし、

辛くてビーバーのことなんて振り返っている余裕なんてなかった。

 

 

 

昨日、後ろにいる私を気にかけてくれなくて、

“冷たいな~”なんて、ちょっといじけていたけど、

冷たいとか、そんな問題じゃないんだな、

 

 

 

と、反省した。

 

 

 

1時間ほど坂を登ったら、こんな絶景が待っていた。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、あと152km。

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羊がたくさん~

「自然豊かだな~」なんて思う余裕はない。

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いよいよ最後の州、ガリシア地方に入りました!!!!

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最初は目的地をLa Faba(27km)の所にしていたけど、

明日朝からこんな辛い思いをしたくないと思い、

頂上付近の街まで5kmくらい歩くことにした。

 

 

そして、16時過ぎにO Cebreiro(オセブレイロ)に到着。

 

公営の宿に行ったら、最後の2ベッドだった!!

後ろに並んでいた人は、満室で入れず、、、

 

シャワー室で、昨日すれ違った日本人のかわいい女の子と再会した。

 

シャワー、洗濯後街プラ。

 

この街は、このようなベージュグレーの街。

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建築がこのような色で統一されている。

こちらは教会。

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これはすごく古い建物。

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来た巡礼路に戻り、街からの景色を堪能。

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今日もかなり登って来たな。

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ここで軽く瞑想とヨガをやりたかったので、

ビーバーとは別行動にして、ミサで落ち合うことにした。

 

 

 

一人になって、昨日からの一連の出来事を振り返る。

 

 

 

やっぱり、今日ちゃんと歩いてよかった。

 

二人の関係に何の変化はないけど、

それでも、その関係を認めた。

 

 

 

「一緒に歩きたい」

 

 

 

それ以上は何も望まない。

 

 

 

シンプルに考えることにした。

 

 

 

ミサよりも早く教会へ行き、撮影。

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何カ国語もの聖書。

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ミサを終え、レストランで夕飯。

 

席が空いていなかったので、相席させてもらうことにした。

 

座っていたのがドイツ人のおじさん。

そして、その後にそのおじさんの知り合いの韓国人のおじさんが、

送れてやって来て、4人で食事をすることにした。

 

 

 

彼らも数日前に巡礼路で出会って仲良くなったとか。

16時半ごろ到着して、公営の宿に行ったら満室で入れなかったので、

今日はツインルームに二人で泊まるらしい。

 

 

 

私たちも15分遅かったら満室だった。

 

 

 

そうしたら、この人たちみたいに、個室に泊まることになっていたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしたら、ビーバーとふたりでシェアすることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしたら、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

と、妄想して興奮気味な自分を落ち着かせました。

 

 

 

いろんな意味で公営のドミに宿が確保できてよかった、、、。

 

 

 

さて、食事に話しを戻しましょう。

 

最初は4人で和気あいあいと食べていたけど、

途中からビーバーは、また難しい内容の話しをし始めた模様。

※ドイツ語なのでわかならい

 

なので、私は韓国人のおじさんと韓国と日本の話しで盛り上がる。

 

韓国人のおじさんがすごくユーモアがあって、

とても楽しい会話に!

 

 

 

その私たちとは対照的に、、、ビーバーの長い話しにウンザリ気味のドイツ人w

 

 

 

4人で話しができるように、何度か挑戦したけど、

NAでマヌケなビーバーは気付かない、、、。

 

 

 

ドイツ人のおじさんには悪いけど、

二人だけでの食事は緊張してしまうので、

お二人がいてくれて、本当によかった!

 

 

 

ありがとうございました!

 

 

 

食事を終えて、ワインで気分がよくなった私。

ビーバーもニコニコしている。

 

 

 

なんとなく、宿にそのまま戻りたくないような雰囲気を発するビーバー。

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しばらく、外で空を見ていた。

今日は、夕日は見えないらしい。

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また、いろいろ話しするのかな?と、ちょっとビクビクしていたけど、

今日は、そんなに深い話しにはならず、

そんなに言葉数も多くなく、空を見ながら、

二人でボーッとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

きっと、ビーバーも、今、頭の中でいろいろ考えているんだろうな~

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくこの穏やかな雰囲気に浸っていたいな~

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せ

 

 

 

 

 

 

 

 

と思ったのも束の間。

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、僕は疲れたから寝るね」

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言い残して、さっさと帰る準備を始めて、

さっさと歩いて行ってしまったw

 

 

 

 

 

 

 

 

早!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ムードもクソもないなw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、いいんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ一緒にいられるだけで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ一緒に歩けるだけで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くは望みません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見返りも求めません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリア様のような慈悲の心で、ビーバーと接することにしたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Never Sad」

 

「マリアの心」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、私のビーバーへの恋の合い言葉になったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日もありがとうございました。

おやすみなさい。